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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

あいへだたること三十六メートルばかり!

「だいじょうぶか」

「よし!」

ねらいはきまった、ぼくらは同時に発砲した。巨獣は鋼鉄の皮でできているのかもしれない。いっこうに銃丸のとおったようすもない。ただ異様なたけりをあげると、巨大なからだをひとゆすりして、密林のなかへすがたをけした。銃声をききつけて、ウエップとイルコックがとんできた。

「どうだった」

「逃げたよ」

「弾丸があたらなかったのか」

「あたったけどはねかえった」

二人は目を丸くした。ぼくはふと巨獣によくにたものを学校で習ったことを思い出した。

「わかったよ諸君! これは南アメリカの河畔に見るばくの一種だ」

「害を加えるのか」

「いやばくはけっして害を加えない、だが、用にもたたない」

「南アメリカにすむばくの一種だとすれば、この島はあるいは大陸の一部かもしれないね」

「そうだ、島にあんな巨獣がすむわけはない」

「ぼくもいまそう考えたところだ、とにかく、もう少し探検しよう」

一同は急に元気百倍した。その夜ぼくらは、探征の第一夜をぶなの林で明かした。あと十五キロメートルばかりで、目的地の北浜に達するのだ。あすの希望をひめて一同早く寝につく。