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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
富士男は人々に注意した。するすると船は進んだ、とつぜんかすかな音を船底に感じた。
「しまった!」
船ははたして暗礁に乗り上げたのであった。
「モコウ、どうした」
「乗りあげましたが、たいしたことはありません」
じっさいそれは不幸中のさいわいであった、船は暗礁の上にすわったので、外部には少しぐらいの損傷があったが、浸水するほどの損害はなかった、だが動かなくなった船をどうするか。
船はなぎさまではまだ三百二、三十メートルほどもある、ボートはすべて波にさらわれてしまったので、岸へわたるには、ただ泳いでゆくよりほかに方法がない、このうち二、三人は泳げるとしても、十歳や十一歳の幼年をどうするか。
富士男はとほうにくれて、甲板をゆきつもどりつ思案にふけっていた。とこのときかれはドノバンが大きな声で何かののしっているのをきいた。なにごとだろうと富士男はそのほうにあゆみよると、ドノバンはまっかな顔をしてどなっていた。
「船をもっと出そうじゃないか」
「乗りあげたのだから出ません」
とモコウはいった。
「みんなで出るようにしようじゃないか」
「それはだめです」
「それじゃここから泳いでゆくことにしよう」