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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
「ああー 火だ」
と富士男は思わずさけんだ。東の一角に低く地上に横たわった雲が、赤く染めだされている、巨大な火に、雲があぶられてできたのだ、だがそれは島をはなれること幾十キロメートルの外である。
「連盟島をさる幾十キロメートルのかなたに、一帯の陸地があって、そこに噴火山があるのだ、その火光にちがいない」
こう思うと富士男は、先の日失望湾で見た、水天髪髴のあいだに、一点の小さな白点を思いおこした。
「あれはやっぱり島だったのだ」
と、またかれは一道の火光を発見した、それは目下の、わずかに八キロメートルぐらいはなれたところにあった。
「失望湾の浜辺のあたりだ、いや敵は、浜辺と平和湖のあいだの、茂林なのかもしれない、そうすればこれはまさしく悪漢海蛇の一行が、暖をとるたき火にちがいない」
かれはあいずの鉄環を落とした。鉄環はいくばくもなく、地上のガーネットの手に落ちた。
「あいずがあったぞ」
富士男の消息を、おそしと待ちかねていた一同は、極度に緊張した。
絞車盤は逆転を開始した、このとき、風勢はしだいに吹き加わって、そのもうれつさははじめの比ではない、おまけに風位が変わって、たこは一左一右、絞車盤の回転は思うように運ばない、糸が一張一弛するたびに、みなはハッときもをひやした。