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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

ラマとだちょうはしばらくもじもじしていたが、自分が開放されたと気づくやいなや、うしろも見ずに長い脛をひるがえして走り去った。

ドノバンは艫のイバンスのかたわらにすわった。富士男はモコウとへさきのほうにすわって帆を監視した。船が動くとともに一同は左門洞にむかって三拝した。

「さようなら左門先生! あなたののこした足跡によって、少年連盟は、二年の露命をつなぐことができました」

富士男は感慨深い顔をして、また、一同にむかっていった。

「諸君! もしこの世に、先輩というものがあって後進の路をひらいてくれなかったら、人生はいかに暗黒なものとなるであろう。それと同時に、ぼくらもやがて先輩となるときがくる。ぼくらはあとにくるもののために、もっとも正しき人となり、もっともよき人となるべく努力しなければならん。左門先生の遺徳を思うとともに、ぼくらもまた、第二の左門先生となりたいものだ」

「賛成賛成」

少年の声は一度におこった。船はしずかにニュージーランド川をくだる。

オークランド岡が森の陰にきえたとき、一同の顔にさびしい色がうかんだ。明け暮れここで死活をともにした十五少年の二ヵ年、斯山斯水、なじみの深いこの陸地と、いま永久に別れるのだ。