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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
汽船の名はグラフトン号で、豪州航行の中途であった。船長ロングは、さっそく一同を本船にむかえいれ、その遭難のてんまつをきいた。
「おうそれじゃ、一昨年ゆくえ知れずになったので、新聞をにぎわしたサクラ号の少年諸君が、ぶじであったのか」
船長はおどろいていった。
「そうです、それはぼくらです」
「よし、それでは諸君のために、航路を変じてオークランドに直航し、諸君を本国へ送ることにしよう」
情けある船長のとりはからいにて、これから一路平坦砥のごとき海上を談笑指呼のあいだにゆくことになった。
三月三日! 汽船はぶじオークランド湾についた。かえりみれば一昨年二月十四日の夜、ここを流れでてから満二ヵ年あまりになった。
「サクラ号の少年たちがぶじ帰国したぞッ」
この声がニュージーランドのすみからすみにつたわった。少年たちの父母は死んだ子が再生したとばかり、取るものも取りあえずはせあつまっては、抱きしめだきしめ接吻の雨を降らした。
新聞社は特大の活字もて、このめずらしき冒険少年の記事をかかげた号外を発行した。ニュージーランドの市街は、少年連盟のために熱狂した。
富士男は毎日毎夜、諸学校、諸倶楽部等の依頼に応じて、遭難てんまつの講演にいそがしかった。