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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

そのあいだに一点の帆影も見えない、一寸の陸影も見えない。

「やはり海ですね」

とモコウはがっかりしていった。

「たぶんそうだろうとは思ったが……いよいよぼくらは絶海の孤島に漂着したことがたしかになった」

とぼくはいった。そうしてぼくはこの湾に命名した。

「失望湾」

このときモコウは、あわただしくぼくの腕をとらえてさけんだ。

「あれはなんでしょう」

モコウの指さすほうを望み見ると、水天髣髴のあいだに一点の小さな白点がある。ぼくは雲のひときれだろうと思った、だがじっとそれを見ているが白点は少しも動かぬ、大きくもならなければ小さくもならぬ。

「山だ、だが山はあんなに白く見えるはずがない」

ぼくらはなおもかわるがわる望遠鏡をとってながめたが、もう太陽は西にかたむいて海波に金蛇がおどれば、蒼茫たるかなたの雲のあいだに例の白点が消えてしまった。

「波が太陽の光線を反射したのでしょう」

とモコウがいった。

「そうだそうだ」

と次郎もいった。だが僕にはどうしても単に光線の反射とのみは思えなかった。

富士男の日記はこのページから厳封されて読むことができないから、著者からさらにその夜のできごとを報道することにしよう。