轻松读懂日语经典作品
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やまつばき
山椿
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1948(昭和23)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,911 字 · 32 页
ふと相談してみようかという気になったのだ、然しそれが不可能なことは明白である、彼は憂鬱に眉をひそめて、そのまま沈黙した。――自分を拒む妻の態度をどう解釈したらいいだろう、嫌っているのだろうか、羞恥だろうか、年齢の若いためだろうか。もしそれほど嫌いだったとしたら、嫁には来ない筈だ。羞恥はなにも彼女ひとりのものではない。あらゆる新嫁がその羞恥心に勝たなければならない瞬間を持つ、年も十八歳なら若すぎるとはいえない、ではいったいなにが原因なのだ。計算や統計の上でものごとを考えたり処理することに慣れている彼の頭は、人の感情とか心理の問題になると手も足も出ない。そこで彼は自分に対しても肚を立てた。――どうとも勝手にしろ。
「わたくし明日おいとま致しますわ」
従妹が或る夜こう云いに主馬の居間へ来た。彼は役所の事務を机の上にひろげながら、頻りに火桶の炭火を吹いていた、みちは従兄の髪毛に付いている灰を払い、火桶を自分のほうへ引寄せた。
「家の事もたいていおねえさまにわかって頂きました、でもすっかりではありませんから、あとはお従兄さまが、わからないところは指図をしておあげにならなければいけませんわ」