轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
島崎藤村『嵐・ある女の生涯』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ある女の生涯、食堂。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,846 字 · 96 页
ほんに、あれがなかったら――どうして、あなた、私も今日までこうして気を張って来られすか――蜂谷さんも御承知なあの小山の家のごたごたの中で、十年の留守居がどうして私のようなものに出来すか――」
思わずおげんは蜂谷を側に置いて、旧馴染にしか出来ないような話をした。何と言ってもお新のような娘を今日まで養い育てて来たことは、おげんが一生の仕事だった。話して見て、おげんは余分にその心持を引出された。
蜂谷は山家の人にしてもめずらしいほど長く延ばした鬚を、自分の懐中に仕舞うようにして、やがておげんの側を離れようとした。ふと、蜂谷は思いついたように、
「小山さん、医者稼業というやつはとかく忙しいばかりでして、思うようにも届きません。昨日から私も若いものを一人入れましたで。ええここの手伝いに。何かまた御用がありましたら、言付けてやって下さい」
こう言って、看護婦なぞの往ったり来たりする庭の向うの方から一人の男を連れて来た。新たに医学校を卒業したばかりかと思われるような若者であった。蜂谷はその初々しく含羞んだような若者をおげんの前まで連れて来た。
「小山さん、これが私のところへ手伝に来てくれた人です」