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いわおのはな
巌の花
宮本 百合子
宮本顕治の文芸評論について
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,839 字 · 4 页
宮本顕治には、これまで四冊の文芸評論集がある。『レーニン主義文学闘争への道』(一九三三年)『文芸評論』(一九三七年)『敗北の文学』(一九四六年)『人民の文学』(一九四七年)。治安維持法と戦争との長い年月の間はじめの二冊の文芸評論集は発禁になっていた。著者が十二年間の獄中生活から解放されてから、『敗北の文学』『人民の文学』が出版された。著者が序文でいっているように「敗北の文学」は一九二九年に二十三歳でかかれたものであり、『レーニン主義文学闘争への道』に収められていた。『人民の文学』はそのころから一九三三年著者が検挙されるまでのわずか五年間ほどの間に書いた評論と、十二年とんで、一九四六年以降に書いた三編が入っている。
いまこの四冊の評論集をながめて、書評を書こうとし、非常に困難を感じる。なぜなら、この四冊の本には、著者の二十年近い生活とその発展のひだがたたまれている。しかもそれは一人の前進的な人間の小市民的インテリゲンツィアからボルシェビキへの成長の過程であり、日本のプロレタリア解放運動とその文学運動の歴史のひとこまでもある。そのひとこまには濃厚に、日本の天皇制権力の野蛮さとそれとの抗争のかげがさしている。