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「しのむりょうさんいん」と「みのうえそうだん」

「市の無料産院」と「身の上相談」

宮本 百合子

「婦人戦旗」1931(昭和6)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,940 字 · 6 页

青空文庫

を感じることができるか。

資本家の政府は、こわくなって来たんだ。資本主義経済の行きづまりで失業者をドシドシ往来にホッポリ出している。日本だけで二百五十万人の失業者とその家族とが、ほんとに飢餓に瀕して死を目の前に見ている。

万年失業におとされたプロレタリアの妻、母ほど、切ないものはない。何としたって、資本主義の世の中がかわらない限り、この地獄はつづくことを、プロレタリアの婦人はハッキリ見るようになって来た。

そこで何か目先のゴマ化しで、プロレタリア婦人の根づよい怒りをはぐらかそうとしてこういう産院建立も考え出されたわけなのです。

われわれはこういう記事をよむと、一層の階級的憤怒を感じる。だってそうではないか、姉妹!

市の細民カードとはどんなものか? 政府の失業登録と同じに、できるかぎり標準をひくめ、数をへらそうとして仕くまれているものだ。しかも、その細民カードの中から、タッタ四十人その産院へ入れるとして、それが広汎なプロレタリアート婦人の一人一人に、どんな現実の助けとなるか。

失業したプロレタリアートの妻はもちろんです。失業しないまでも賃銀半額に引下げられた労働者の暮しはどんなものか。