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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
02 私の子供の時のはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,105 字 · 4 页
私は十二歳になりました。この十二歳という年齢は、当時の男の子に取っては一つのきまりが附く年齢である。それは、十二になると、奉公に出るのが普通です。で、両親たちも私の奉公先についてよりより相談もし心配もしておったことであるが、私は、生まれつきか、鋸や鑿などをもって木片を切ったり、削ったりすることが好きで、よく一日そんなことに気を取られて、近所の子供たちと悪戯をして遊ぶことも忘れているというような風であったから、親たちもそれに目を附けたか、この児は大工にするがよろしかろうということになった。大工というものは職人の王としてあるし、職としても立派なものであるから、腕次第でドンナ出世も出来よう、好きこそ物の上手で、俺に似て器用でもあるから、行く行くは相当の棟梁にもなれようというような考えで、いよいよ両親は私を大工にすることにした。
ちょっとその頃の私どもの周囲の生活状態を話して見ると、今からは想像の外であるようなものです。現在ではただの労働者でも、絵だの彫刻だのというようなことが多少とも脳にありますが、その頃はそうした考えなどは、全くない。絵だの彫刻だのということに気の附くものは、それは相当の身分のある生活をしている人に限られたもので、貧しい日常を送っている町人の身辺には、そんなことはまるで考えても見なかったもの