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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

02 私の子供の時のはなし

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,105 字 · 4 页

青空文庫

十二歳になると、奉公盛り、十三、十四となると、ちっと薹が立ち過ぎて使う方でも使いにくくて困るといったもの……十四にもなってぶらぶら子供を遊ばして置く家があると、「あれでは貧乏をするのも当り前だ。親たちの心得が悪い」と世間の口がうるさかったもの――だから、十一、二歳は奉公の適期であって、それから十年間の年季奉公。それが明けると、一年の礼奉公――それを勤め上げないものは碌でなしで、取るにも足らぬヤクザ者として町内でも擯斥されたものでありました。

私は、その頃の幼名を光蔵と呼んでおりました。

「光蔵、お前も十二になった。奉公に行かんではならん。お前は大工になるが好かろう。どうだ。大工になるか」

父の言葉に対して私は不服はありませんから、

「大工は好い、……大工に行きましょう……」

「そうか、それでは好い棟梁を探してやろう」

父はこういいましたが、ちょうど、私の父兼松の弟の中島鉄五郎という人の家内の里が八丁堀の水谷町に大工をやっておったので、他を探すよりも、身内のことでもあるし、これが好かろうと、いよいよ、明日は、おばさんが、私をその大工の棟梁の家へ伴れて行ってくれることになりました。