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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

21 年季あけ前後のはなし

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,912 字 · 6 页

青空文庫

右の事など父に話しますと、

「それは結構である。我々はこのままでどうやらやって行けるから、お前はお前で随意に彫刻をやれ」

との事で、万事私の都合はよろしく相更らず師匠の家で仕事をしておりました。

そこで私は自分も、もはや年季中の者ではなく、多少手間賃を貰うようになったこと故、相当両親のことも考えねばならぬと思い、その一月の手間七円五十銭の中から半額は親の許にやり、半分は貯蓄して何かの時の用意にすることにしました。手元にあれば無駄遣いをするから、それを師匠に預けることにした。当時はまだ銀行のこともよく分らず、郵便貯金などいうことはさらにありませんから、師匠に預けるのが一番確かでした。諸色の安い時のことであるから、一分という額は、一日分親子四人位で、どうにかやって行けたものであります。