轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
42 熊手を拵えて売ったはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,159 字 · 9 页
それに商売がしやすいのであります。そうして売れないものは無理に売ろうとせず、二の鳥を俟ち、三の酉があればそれをも俟つという風で、決して素人のように売り急ぎをしないのだそうであります。際どいのは、もの仕舞い際になると、蝋燭(薩摩ろうそく)やカンテラを消して店を方附け、たった一本位出して置いて、客がつくと、それを売る。もうないのかと思うと、もう一本ある。他の客が奪うようにして買って行く。段々とそうして余分に儲けるなどなかなかその懸引があるものだといいます。けれど、こっちはそこまではやれない。この商売はほんの駈け出しだから、何んでもかまわず早く売りたくて仕方がなかったものでした。
私たちの店は今も申す通り、大きい店の袖にあった跳ね出しの店です。この方が割方安くてかえって都合がよろしい。大分、もう売って行ってほとんど出盛りのテッペンと思う頃、仕事をしに入り込んでいた攫徒の連中が、ちょうど私たちの店の前で喧嘩を始めた。これは馴れ合い喧嘩というので、その混雑の中で、懐中を抜くとか、売り溜めを奪ろうとかするのです。それ喧嘩だというと、大勢が崩れて、私たちの跳ね出し店の手欄を被り、店ぐるみ葭簀張りを打ち抜いて、どうと背後まで崩れ込んで行ったものです。