轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
62 佐竹の原繁昌のはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,422 字 · 3 页
それで人がぞろぞろと出る。陽気は春に掛かっていてぽかぽか暖かくなって来るし、今まで狐狸のいそうな原の中が急にこう賑やかになったのであるから、評判が次第に高くなって、後にはこの原へ通う人で西町の往来は目立つようになって来ました。こうなると、それに伴れてまた色々な飲食店が出来て来る。粟餅の曲搗きの隣りには汁粉屋が出来る。吹き矢と並んで煮込みおでん、その前に大福餅、稲荷鮓、などとごった返して、一盛りその景気は大したものでありました。
といって別にこれといって落ち附いて、深く見物しようなどというものはない。いわば縁日の本尊のないようなもので、何んというきまりもなく、ただ一時の客を呼んでドンチャンと騒いでいました。
私は、西町の例の往来の見える仕事場で仕事をしていると、ぞろぞろ前を人が通る。これが皆佐竹の原へ行くのだということ。花時に上野の方へ人出の多いは不思議がないが、昼でも追い剥ぎの出そうな佐竹の原へこんなに人出があるとは妙な時節になったものだと思って仕事をしていたことであった。