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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,640 字 · 15 页
そこでまた私は閻魔の顔を拵えさせられるなど自分の仕事をそっち退けにして多忙しいことで、エンマの顔は張り子に抜いてぐるぐる目玉を動かすような仕掛けにして、中へ野見の老人が這入って仕草をするという騒ぎ……一方、古物展覧の方も古代な布片とか仏像のような何んでも時代が附いて曰く因縁のありそうなものを並べ、鳴戸のお弓の涙などと小供だましでなく、大人でも感服しそうな因縁書などを野見の老人がやって、一切、内外ともに出来上がりまして、いよいよ蓋を明けましたのが確か五月の六日……五日の節句という目論見であったが、間に合わず、六日になったように記憶しております。
この興業物は「見流しもの」といって、ずっと見て通って、見た客は追い出してしまうので、見世物としては大勢を入れるに都合の好いやり方であります。大仏の頭が三畳敷位の広さで人間が五、六人位は入れますが、目、口、耳の窓から外を見ると、先の客は後から急かれて出て行くので、入り交り立ち交るという手順で、手ッ取り早く出来ております。蓋が明いた六日の初日には果して大入りでありました。