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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,640 字 · 15 页
それではその方へ話をしてくれまいかと頼むと、早速引き受けて友達を伴れて来てくれました。
私はそのカヤ方の仕事師という男に逢って見ました。
私の肚の中では、この男に逢って雛形を見せたら、恐らくこれは物になりません、というだろうと思っておりました。もし、そういってくれたらかえって私には好かったので、この話はそれで消えてしまう訳。もしそうでもないと、話が段々大きくなって大仏が出来るとなると、私の責任が重くなる。興業物としての損益は分りませんが、もし損失があっては資本を出す考えでいる野見さんに迷惑が掛かることになります。どうか、物にならないといってくれれば好いと思って、その男に逢いますと、仕事師は暫く雛形を見ておりましたが、
「これはどうも旨いもんだ。素人の仕事じゃない。この梯子の取り附けなどの趣向はなかなか面白い。私どもにやらされてもこう器用には出来ません」
といって褒めています。それで、これを四丈八尺の大きさに切り組むことが出来るかと訊くと、訳はないという。この雛形ならどんなにでも旨く行くというのです。そして早速人足を廻しましょう、といっております。その男の口裡で見ると、十日位掛かれば出来上がりそうな話。