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ねんぷ
年譜
宮本 百合子
「現代文学全集 第五十六巻」改造社(1931年までの年譜)、1931(昭和6)年3月、「宮本百合子研究」津人書房、1948(昭和23)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,820 字 · 36 页
文学の文学らしさをもとめる心持が同時にはげしく感じられてきた。この年は婦人作家の活躍した年といわれ、その理由は婦人作家の社会性が狭くて、自分の小さい生活と芸術境地を守りつづけてきているために、男の作家が軍事的社会風潮におしながされ、真実性のない長篇小説などを流行させているのに対して、一縷の芸術性を発揮したものと評された。「綴方教室」や「小島の春」のような素人の文学「女子供の文章」の真実性が云われた。しかしやがて、文学の最後の小石のような真実も戦争強行の波におされて婦人作家も南や北へ侵略の波とともに動くようになった。
執筆
三月。その年。(小説)
九月。杉垣。(小説)この初冬。(〔随筆〕)
まちがい。(〔随筆〕)
十一月。芭蕉について。(作家論)
十二月。おもかげ。(小説)ひろば。(小説)
単行本。明日への精神。(実業之日本社)三月の第四日曜。(金星〔堂〕)
一九四〇年(昭和十五年)
この年の日本の国内にどれほど軍事的な窒息的な空気がはびこっていたかということは、この年〔十〕月に書いた小説「朝の風」をよむとしみじみわかる。人間の理性と自然な情感に立った日常生活が失われてきたと同時に、文学はいよいよ人間性を失った。