轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうどうちゅうそでん

弓道中祖伝

国枝 史郎

「キング」1932(昭和7)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,647 字 · 19 页

青空文庫

こそ、造庭術の蘊奥を谷めて、在る所に厳として存在していたが、しかしいずれも壊れ損じ、いたましい態を見せていた。

と、白衣の丈の高い女が、水のない泉水の岸のほとりを、築山の方へ歩いていた。

(あれだな)と若武士は突嗟に思い、少しはしたなくは思ったが、そこに穿物がなかったので、跣足のままで庭へ下り、驚かせたら逃げるかもしれない、こう何となく思われたので、物の陰から物の陰を伝い、女の方へ近寄って行った。しかし泉水の岸のほとりまで、その若武士が行った時には、女の姿は見えなかった。

(築山の向こうへでも行ったのであろうか)と思って若武士は先へ進んだ。

と、突然老人の声が、築山の方から聞こえてきた。

「参るぞーッ」という声であった。

途端に烈しい弦音がした。

「うん!」

気合だ! 気合をかけて、若武士は持っていた鉄扇で、空をパッと一揮した。足下に落ちたものがある。平題の箭であった。

「お見事!」と女の声が聞こえた。築山の方から聞こえたのである。

と、又老人の声がした。

「もう一條参る、受けて見られい」

ふたたび烈しい弦音がした。

「うん」と全く同じ気合だ。気合をかけて若武士は、またも鉄扇を一揮した。