轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とうせんさくしょかん

当選作所感

平林 初之輔

「新青年 第七巻第七号」1926(大正15)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,251 字 · 3 页

青空文庫

「あやかしの皷」

「あやかしの皷」

はじめの方は、私にはそうとう読みづらかったが三分の一くらいまでくるとだんだん面白くなって、ついひきずられて読んでしまった。なかなか手にいった書きかたで、作者の並々ならぬ手腕を偲ばせるところもあるが、私は、主として不満に感じた点だけをならべる。

まず全体の筋が「あやかしの皷」につきまとう、因果ばなしめいた一連のお噺であるのが、私にはもの足りない。皷の「崇り」などは迷信だと極論するわけでもないが、迷信なら迷信で、もっと凄味と神秘の色とを濃くしてほしい。「崇り」を科学的に分析するなら、もっと徹底的に俎上にのせてメスをふるってほしかった。全体に中途半端の感じがする。現代と徳川時代とがまざりあっていて、よく融合していないといった感じだ。ちょうど、洋館の中で、椅子に腰をかけて、講釈師の浮世話をきいているようだ。最後のたたりは、ある未亡人の変態性欲で説明されているが――これとても現代式吉田御殿といった感じで、私にはぴったりこなかったが――それ以前にどんな崇りがあったのかは、田舎のおばあさんからたわいもない土地の昔話をきくようで一向たよりがなかった。