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やくにんがくさんそく
役人学三則
末弘 厳太郎
末弘厳太郎『役人学三則』。同一底本的分册已合并为一书。收入:役人学三則、役人の頭、嘘の効用、新たに法学部に入学された諸君へ、小知恵にとらわれた現代の法律学、法学とは何か。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,454 字 · 172 页
そうして上手に嘘をつきえてほめられた人です。大岡政談を読んでごらんなさい。当時の法律は、いかにも厳格な動きのとれないやかましいものであった。それをピシピシ厳格に適用すれば、万人を戦慄せしめるに足るだけの法律であった。しかも当時の裁判官はお上の命令であるところの法律をみだりに伸縮して取り扱うことはできぬ。法律は動くべからざるもの、動かすべからざるものであった。この法律のもとで、人情に合致した人間味のある裁判をやることはきわめて困難な事柄です。しかも大岡越前守はそれをあえてしたのです。しかも免職にもならず、世の中の人々にも賞められながら、それをやりえたのです。
しからばどうしてそれをやりえたか。その方法は「嘘」です。当時の「法律」は厳格で動かすことができなかった。法を動かして人情に適合することは不可能であった。そこで大岡越前守は「事実」を動かすことを考えたのです。ある「事実」があったということになれば「法律上」必ずこれを罰せねばならぬ。さらばといって罰すれば人情にはずれる。その際裁判官の採りうべき唯一の手段は「嘘」です。あった「事実」をなかったといい、なかった「事実」