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しそうとふうぞく
思想と風俗
戸坂 潤
在线阅读戸坂 潤《思想と風俗(しそうとふうぞく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 216,700 字 · 422 页
だ。啓蒙期の文化である啓蒙哲学の特色の一つは、一般に就いて云えばヨーロッパ各国とも夫が非体系的で纏ったシステムを持っていなかったという点にあるが、ドイツは啓蒙哲学がシステムとして成り立った唯一の国なのである。
私はすでに啓蒙期に於ける啓蒙哲学と啓蒙の観念との特色を説いたことがあるから、話を簡単に片づけよう(拙著『日本イデオロギー論』の内・「啓蒙論」参照)。啓蒙哲学の本質はその悟性主義につきる。と云うのは、一方に於てヘーゲルの意味での理性・弁証法的或いは有機体説的理性、の代りに、機械的な世界観と論理による物の考え方が、啓蒙哲学の歴史上の本質なのである。こういう悟性への信頼が人間の進歩を齎すというのがその信条だった。処で他方その反面として、こうした合理主義は歴史の発展を一つの必然性と見る代りに、之を単なる欠陥誤謬偶然等々と見做し、合理的な見地から云って払拭清算されるべき過去と見ることとなる。歴史的必然の無視がこの合理的進歩主義の一つの著しい結論だ。要するに当時は新興ブルジョアジーがまだそれ程に自信を有っていたのである。
之は啓蒙期という一つの歴史上の時代に於て、歴史的に実際に現われた形態としての、啓蒙哲学の特色である。