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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

「何だ!」

「僕等は、冷凍室のラッコなど欲しかないよ、……何よりも、君の勇気に感心した。改めて君の部下になろう」

「…………」

豹のような水夫は、豹のように、疑深く、なおもピストルを、僕の胸に擬したままだ。

「ね、君! この船は、機関の故障で航海が続けられないのだぜ。つまり、漂流船だ。この先、何十日、何百日、海洋を流されるかしれないじゃないか。僕等まで射殺して、たった一人で、太平洋を漂流するなンか、心細いだろう」

豹のような水夫は、肯いて、僕等の麻縄を解きはじめた。

怪老人の冷笑

麻縄を解かれて、やっと自由になった。僕も、陳君も、雀躍して、中甲板を飛び廻った。

と、豹のような水夫は、何をおもったか、不意にまた、陳君の背後に、ピストルの銃口を向けた。

「あッ! あぶない」

僕は、おもわず絶叫したが、すでに遅かった。兇暴な水夫の放った一弾が、陳君の左肩を貫通した。

「あッ!」

と一声、悲鳴をあげて、陳君は、よろよろとその場に倒れてしまった。

「卑怯だ!」

僕は、水夫を睨みつけながら、駈け寄って陳君を抱いた。

「しっかりしろ。傷は浅いぞ」

血に染った陳君は虫の息で、