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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
蘭郁二郎『怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像』。同一底本的分册已合并为一书。收入:足の裏、穴、息を止める男、腐った蜉蝣、幻聴、孤独、舌打する、植物人間、蝕眠譜、自殺、鉄路、脳波操縦士、古傷、鱗粉。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 页
(いい機会があったら、そんなバカなことを止めてやらなけりゃ……)
黒住も、私も黙々と歩きつづけた。
×
又黒住の家へ、私達がついたのは、もう九時も廻っていたろうか……でもばあやに一寸挨拶をし、彼の部屋にはいって固く戸を閉し、間もなくばあやがお茶をあの小窓から渡したきり、私達二人は、全然この世の中から隔離されてしまったのだ。その部屋は八畳位の広さで、窓は一ヶ所もなく、真白い箱のようなものであった。
その中に、大きな寝台が一つ、書物のとりちらかされたテーブルが一つ、椅子が一つ、タッタそれだけの世界であった。その外目につくのは部屋のつきあたりにある一間位の押入とテーブルの本の間に挟まって、かすかにあゆみ続ける時計位のものであった。
(この間の時計の音は、これか――)
私はそんなことを思いながら、部屋の中を見廻していた。
黒住はベットに腰を下ろすと、私に椅子をすすめながら
『さっきは、何しろ外だったんで、ゆっくり話も出来なかったけど、僕は君がこんなヘンなことを始めた理由を……といわれた時は、思わず僕の心の底をみすかされたような気がしたんだ』
とぽつりぽつり話し出すのであった。