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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

「富士」1934(昭和9)年8月号~11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 页

青空文庫

最初の競技は二組に分れることになった。ジャンケンをすると、第一組は雁金検事、蝋山教授に矢走千鳥、第二組は大江山と西一郎に赤星ジュリアと決まった。

まず第一組が球をティに置いては、一人一人クラブを振って打ち出していった。それから五分ほど遅れて、第二組がティの上に立った。

「課長さんのお相手をしようなどとは、夢にも思っていませんでしたわ」

とジュリアが笑った。

「課長さん――は競技の間云わないことにしましょうよ、お嬢さん」

「あら――ホホホホ」

大江山はすっかりいい気持になってしまった。――ジュリアが最初に打ち、次に大江山が打った。一番あとを西一郎が打つと、三人はキャデーを連れて、青い芝地の上をゾロゾロ球の落ちた方へ歩きだした。

「君たちに会おうとは思いがけなかった」

と、課長は一郎の方を向いて破顔した。

「雁金さんのお誘いなんです。丁度ジュリア君も元気がないときだったんで、たいへんよかったですよ」と一郎が答えた。

「ほう、お嬢さんはどこか悪いのかネ」

「あら、嘘。――このとおり元気ですわよ」

といったが、第一の球はジュリアが一番成績が出なかった。

第二のティで球を打つと、ジュリアの球は横に曲って、一時二人に離れた。