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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页

青空文庫

「さあ、それはいずれ後でゆっくり考える時間があるよ。今は、さしあたり、救助船へ信号する用意と、次は食べるものと飲むものを手に入れなければいかん。その魚の標本箱に、われわれの白骨までそえてやるんじゃ、君もおもしろくなかろうからね」

「わかりました。魚なんかに見とれていないで、早く上陸しましょう」

「おっと、まった。まずこの筏を海岸の砂の上へひっぱりあげることだ。このおんぼろ筏でも、われわれが今持っている最大の交通機関であり、住みなれたいえだからね」

「竿かなんかあるといいんだが。ありませんねえ。筏の底が、リーフにくっついてしまって、これ以上、海岸の方へ動きませんよ」

「よろしい。ぼくが綱を持ってあがって、ひっぱりあげよう」

「やりましょう」

空腹も、のどのかわきも忘れて、二人は海の中へ下りた。浅いと思っていたが、かなり深い。ラツールの乳の下まである。玉太郎はもうすこしで、顎に水がつく。

「痛い」

玉太郎が顔をしかめた。彼は足の裏を、貝がらで切った。靴を大切にしようと思って、はだしになって下りたのが失敗のもとだった。

「うっかりしていた。もちろん、こういう場合は、足に何かはいていなくては危険だよ。