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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页

青空文庫

「じゃあ、いつの間にか、その小山が陥没して穴になったんでしょうか」

「そうとしか思えないね。まさか道をまちがえたわけではないだろう」

玉太郎と伯爵隊長が、大穴のできた原因について話し合っている間に、監督ケンは、穴のふちをのりこえて、斜面をそろそろ下へ下りて行く。ポチは、いそいそと先に立っている。ダビット技師は、撮影機を大事そうに頭上高くさしあげて、こわごわ下る。

「深い穴がある。木や草がたおれている。たしかにこれは恐竜の出入りする穴だぞ」

ケンは、昂奮してさけぶ。

玉太郎も、伯爵をうながして、穴の中へ下りはじめた。

「ふーン。このにおいだて。これが恐竜のにおいなんだ」

伯爵が、首をふって立ちどまった。

なにか特別のにおいが、さっきから玉太郎の鼻をついていた。生ぐさいような、鼻の中をしげきするようないやなにおいだった。

はっくしょい!

伯爵が大きくくさめをした。

するとそのくさめがケンとダビットにうつった。最後に玉太郎も、くしんと、かわいいくさめをした。

「くさめの競争か。これはどうしたわけだろう」

監督ケンがにが笑いをした。

「思い出したぞ。このにおいは、附近に恐竜の雌がいるということを物語っているんだ。