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わたしのちちとはは
惜しみなく愛は奪う
有島 武郎
有島武郎『惜しみなく愛は奪う』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の父と母、二つの道、片信、広津氏に答う、小作人への告別、宣言一つ、想片。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,351 字 · 70 页
私の目前の落ち着きどころはひっきょうこれにすぎない。ここに至って私は反省してみる。私のこの態度は、全く第三階級に寄与するところがないだろうか。私がなんらかの意味で第三階級の崩壊を助けているとすれば、それは取りもなおさず、第四階級に何者をか与えているのではないかと。
ここに来て私はホイットマンの言葉を思い出す。彼が詩人としての自覚を得たのは、エマソンの著書を読んだのが与って力があると彼自身でいっている。同時に彼は、「私はエマソンを読んで、詩人になったのではない。私は始めから詩人だった。私は始めから煮えていたが、エマソンによって沸きこぼれたまでの話だ」といっている。私はこのホイットマンの言葉を驕慢な言葉とは思わない。この時エマソンはホイットマンに向かって恩恵の主たることを自負しうるものだろうか。ホイットマンに詩人がいなかったならば、百のエマソンがあったとしても、一人のホイットマンを創り上げることはできなかったのだ。ホイットマンは単に自分の内部にある詩人の本能に従ってたまたまエマソンを自分の都合のために使用したにすぎないのだ。ホイットマンはあるいはエマソンに感謝すべき何物をか持つことができるかもしれない。