轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せきべつ
惜別
在线阅读太宰 治《惜別(せきべつ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,984 字 · 178 页
どうせ、私には名文も美文も書けやしないのだから、くどくどと未練がましい申しわけを言うのはもうやめて、ただ「辞ハ達スル而已矣」という事だけを心掛けて、左顧も右眄もせずに書いて行けばいいのであろう。「爾ノ知ラザル所ハ、人ソレ諸ヲ舎テンヤ」である。
私が東北の片隅のある小さい城下町の中学校を卒業して、それから、東北一の大都会といわれる仙台市に来て、仙台医学専門学校の生徒になったのは、明治三十七年の初秋で、そのとしの二月には露国に対し宣戦の詔勅が降り、私の仙台に来たころには遼陽もろく陥落し、ついで旅順総攻撃が開始せられ、気早な人たちはもう、旅順陥落ちかしと叫び、その祝賀会の相談などしている有様。殊にも仙台の第二師団第四聯隊は、榴ヶ岡隊と称えられて黒木第一軍に属し、初陣の鴨緑江の渡河戦に快勝し、つづいて遼陽戦に参加して大功を樹て、仙台の新聞には「沈勇なる東北兵」などという見出しの特別読物が次々と連載せられ、森徳座という芝居小屋でも遼陽陥落万々歳というにわか仕立ての狂言を上場したりして、全市すこぶる活気横溢、私たちも医専の新しい制服制帽を身にまとい、何か世界の夜明けを期待するような胸のふくれる思いで、学校のすぐ近くを流れている広瀬川の対岸、伊達家三代の霊廟のある瑞鳳殿などにお参りして戦勝の祈願をしたものだ。