轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あいか
愛か
李 光洙
「白金学報 第一九号」1909(明治42)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,381 字 · 11 页
彼はここに立って考えているのである。吾は明日帰るではないか、明日帰れば来学期にならないと彼の顔を見ることが出来ないのである。ああどうしよう? 何! こんな処へまで来て逢わずに帰る奴があるものか。吾は弱い、弱いけれどもこんな事が出来なくてどうする? これから少強くなろう。よし今度はぜひ戸を叩こう。勿論這入ったところで面白い話をするでもなければ用があるのでもない、ただ彼の顔を見るばかりだ。それで彼は再踵を返した。今度は勇気天を衝くようで足は軽くて早い。あまり早過ぎたものだからつい門を通り越した。滑稽と云わば云われよう。三四歩戻って彼は表門を這入った。今度はわざと飛石を踏んでバタバタと靴音をさせた。これは手段なのである、自分では手段でありながらも人には知られぬ手段である。彼はこの手段には成功を期したが格子戸の処まで達してもなんらの便もない。モウいくら靴音をさせようと思っても場所がないのである、まさか体操の時のように足踏をする訳にも行かず。ああまたもや失敗した。今度こそは本当に帰らざるを得ないのだ。彼は第二の溜息を突いた。しかし窮すれば策はあるもので、彼はまた一策を案出したのである、それは帰りに一層高く靴音をさせることである。