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らんだのかるた

懶惰の歌留多

太宰 治

「文芸」1939(昭和14)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,369 字 · 25 页

青空文庫

それは、こんな歌である。わぎもこを、いとおし見れば青鷺や、言の葉なきをうらみざらまし。

そうして白状すれば、みんな私のフィクションである。フィクションの動機は、それは作者の愛情である。私は、そう信じている。サタニズムではない。

り、竜宮さまは海の底。

老憊の肉体を抱き、見果てぬ夢を追い、荒涼の磯をさまようもの、白髪の浦島太郎は、やはりこの世にうようよ居る。かなぶんぶんを、バットの箱にいれて、その虫のあがく足音、かさかさというのを聞きながら目を細めて、これは私のオルゴオルだ、なんて、ずいぶん悲惨なことである。古くは、ドイツ廃帝。または、エチオピア皇帝。きのうの夕刊に依ると、スペイン大統領、アサーニア氏も、とうとう辞職してしまった。もっとも、これらの人たちは、案外のんきに、自適しているのかも知れない。桜の園を売り払っても、なあに山野には、桜の名所がたくさん在る、そいつを皆わがものと思って眺めてたのしむのさ、と、そこは豪傑たち、さっぱりしているかも知れない。けれども私は、ときどき思うことがある。宋美齢は、いったい、どうするだろう。

ぬ、沼の狐火。

北国の夏の夜は、ゆかた一枚では、肌寒い感じである。