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わがじんせいかん
我が人生観
07 (七)芥川賞殺人犯人
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,326 字 · 17 页
山鹿流陣太鼓の音をきくや、トンと門を蹴破って、自分から往来へとびだしてくるよ。鎌倉四十七士ぐらいのヘナヘナ腰では、危いですぞ。
しかし、トマの旦那も、敗れて悔いなしであろう。ロンドンのいとうるわしき伯爵夫人の柳の腰をいだいて、共に楚々と古城のほとりをめぐり、うれわしき悩みに沈む。
廬を結ぶ古城の下
時に登る古城の上
古城は疇昔にあらず
今人おのずから来往す
年老い、ひとり古都の地に結廬して往昔をしのび物思いにふけり憂さを酒にまぎらすにしても、往昔泰西の地に於て、城主夫人の柳腰をいだき古城のほとりを歩いた花の時代あって、何の不足かあるべき。
しかも棄ててきた恋女房の面影わすれがたく、人のうらやむ伯爵夫人を得て、憂いの休む時とてもない。意を決して、恋人をすて、飄然と天涯の孤児にもどる。いいぞ。トマサン。
どうも、しかし、こういうことは額面通りにいただかない方がよろしいようだ。どうも遊び好きの男に限って、こういう甘美な感傷的伝説の中に籠城したがるのでこまる。アンリ・ベイルのメチルド夫人に於ける如く、アンゴ某のナントカ嬢に於ける如く、その他何々の何々に於ける如し。