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せんそうはわたしたちからすべてをうばう

戦争はわたしたちからすべてを奪う

宮本 百合子

「現代女性十二講」ナウカ社、1950(昭和25)年12月発行

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,456 字 · 25 页

青空文庫

日本の人民が戦争に「使用」されることをことわるような重大なときに、相談のあいてになり、その意見に責任を負って語る者としての期待であるとは言いにくい。丁度親が、おそく歩きはじめたわが子のよちよち姿を見て、丈夫な子を持った親は知らないよろこびに涙ぐむように、日本の善良な人民のこころは、今になって、どうやらわれわれと大してちがったものでもなく生きるようになった方々、に、身分が高いだけ気の毒な、として世なれたおとなの親しみをおぼえて来ているのである。

三笠宮が人間皇族としての文化代表であるらしいけれども、彼の文化性はこんにち心ある人々に冷汗をかかせる。『スタイル』という婦人のモード雑誌の新年号(一九五一)にアンケートがある。(一)ラヴ・レターをお書きになったことがお有りですか。(二)すましていてすべってころんだときは、どういうポーズと表現をしますか。(三)あなたのお顔の色々の道具の中で何が一番お好きですか。云々という風な質問である。回答者の、ポスター・バリューのある似顔が程よく入れられていて、川路龍子、獅子文六、小野佐世男その他にまじって三笠宮崇仁親王という公式の名で、回答がのせられている。