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しょかん
所感
夢野 久作
「新青年 第七巻第十二号」1926(大正15)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,566 字 · 7 页
という岡山発の電報がほかの手紙とゴッチャになって乗っています。電報は義弟のF学士と妹たちで、高知の病院に赴任の途中岡山で新青年を見て打ったものに違いありません。私はまだ何も見ないうちにヒヤリとさせられました。
それから諸大家の御批評を読み初めましたが、間もなく私は又この篇を書くに就いて飛んでもない了簡違いをやっていることに気が付きました。しかもそれは実に滑稽な、面目ない種類のものでした。すなわち「或る家の秘蔵の芸術品を一眼見たいために或る芸術家が一生を棒に振ってしまった。そうしてその芸術家が死の際に考えて見ると、そのために受けた苦しみは現実の社会に何の益もない。夢の中でもがいて眼がさめたら汗をかいていた位の価値しかないものであった」というのが最初の私の妄想の興味の中心でした。それを探偵小説好きのF学士におだてられた結果、探偵物として価値あるもののように思い込んで書いていたので、つまるところ私は探偵小説を書く気分で普通の読み物を書いていた……極端に云えば知らず知らずとはいえ探偵小説を冒涜していたということを自覚しました。
それから私はも一度初めに帰って評を読み直して行きました。