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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

――技術家に於ける技術とイデオロギーとのこの一応の分離は、技術の例の特有に稀薄なイデオロギー性に由来するわけで、この稀薄なイデオロギー性のおかげで、旧ブルジョア技術家と雖も、社会主義下に於て技術家としての生活を営む一応の条件が可能になるわけである。

ソヴェート同盟に於ける旧技術家と新技術家との交渉はそれにも拘らず一種の階級対立をなしている。それは新しい産業制度(工場委員会・生産者会議・等々)に対する疎隔感や、労働者に対する敬遠という、旧技術家の意識の内部に見られるばかりではなく、こういう意識を通じて反ソヴェート的政治行動に走った多数の旧技術家の、又外国技師の、行動の内に最も著しく見て取れる。例えばシャフチンスキー事件・ウクライナ学士院事件・連邦学士院事件・ベリャンチコフ事件・ナホリト事件・産業党事件・等々に於ける技術家による「反ソヴェート陰謀」が、この利害上の階級対立の政治的表現である*。だがこの階級対立は、元来が技術の例の所謂「中立性」と、それに基くと考えられる技術家の「中立の意識」とに基いて、成立するのではあるが、併し却って技術の「中立性」(実は中立性ではなくて稀薄なイデオロギー性だったのだが)と技術家の「中立の意識」