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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页

青空文庫

発明は個人の気紛れな興味に一任されて了う。

処がソヴェートではこのような個人的発明に対して大衆的発明を対立させている。ソヴェートの特許法は初め一九二五年に発布されたが、一九三一年四月九日付を以て新しい情勢に相応するように改正された。それによると労働者発明家は自分の発明・技術上の改良・又は意見によって特許を得ると、政府は早速之を産業に適用せねばならぬことを規定する。その際彼はこの適用に立ち会わねばならぬ。この適用の結果生産上節約し得た客観的に現われる年額に応じて、彼は一定率のプレミアムを労働報酬として受け取る。このプレミアムは現金で支払われることもあれば、旅行・賜暇・転地、等の形で与えられることもある。その他になお、発明家として必要な生活資料や研究機会などの生活上の優先権を与えられることになっているのである(The Soviet Patent Law, 1931, Moscow 参考)。

こうして発明家は実質上大衆的に保護され、発明は実質上大衆的に奨励される。そしてこの奨励方法は、資本主義的個人の無政府的な自由競争に一任されるのではなくて、大衆の「社会主義競争」