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ぎじゅつのてつがく
技術の哲学
戸坂 潤
「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页
それでは失業統計なども恐らく膨大な量に及ばざるを得ないわけで、それは無論ブルジョアジーが決して欲しない結果である。そこでブルジョアジーは職業を、収入と実質上は無関係な一定社会身分という意味に解釈し、どうやってもこの解釈に這入らないものだけを失業と見做す(無職というのはだから実際必ずしも職のないことを想起させるとは限らないだろう)。失業の大部分は実際之によって観念的に解消して行くだろう。――処で、学生は収入どころではなく逆に学資を支出しているのだが、それが一つの一定社会身分だという意味で、職業欄に学生と書き込むことも不自然でない、というような意識をも生むのである。
「学生」はだからブルジョア社会の秩序に於て占められる一定部署を意味している。階級社会に於ける学生層は、一定の階級的意義を有っているということがその特色だ。――学生層の構成内容から云っても亦、このことは確められる。一般学生の各個が、概括的に云って小市民層又はブルジョア階級の子弟であり、高年度の学生になればなる程、「良家」の子弟が多いと推測していいだろう。農民や労働者からは例外としてか又は特殊の条件に偶伴された以外には(例えば有力者の知遇や公私の給費)、決して学生は送り出されない。