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ぎじゅつのてつがく
技術の哲学
戸坂 潤
「技術の哲学」時潮社、1933(昭和8)年12月13日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 页
するための、自然を搾取するための、権威ある唯一の手段なのである(当時出来上った東印度会社は、云わばこの自然の搾取のために人間を搾取することを目的とすると云っていいだろう)。
ここに吾々は当時イングランドに於て勃興しつつあったブルジョアジーの、社会条件と認識態度との最も特色ある表現を見ることが出来る。近世科学の特色がベーコンの提唱になる実験を標語とする所以は、正に、ここに始まりを持つのである。
実験は初期の進歩的なブルジョアジーが産んだ近世科学、即ち実証科学、の精神であり武器である。中でも最も早く実証的階段に這入った自然科学の、精神であり武器である。処で、実証科学は工業(乃至産業)に工学(テヒノロギー)に、又技術に直接に連関している*。コントの如きは、この理由から、実証科学が「工業的(乃至産業的)生活」(vie industrielle)のものであることを、そしてその意味でプロレタリアのものであることを(彼のいうプロレタリアは実は工業資本家乃至産業資本家の忠実な一味徒党のことである)、主張する。だから今日でも、実験は、云うまでもなく、技術に対して最も直接な連関を有っているのである。