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ぎじゅつてきせいしんとはなにか

技術的精神とは何か

戸坂 潤

「科学主義工業」1937(昭和12)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,188 字 · 17 页

青空文庫

近代文化が近代産業(産業革命後の工業を中心とする)によって決定されるということは、之亦ただの常識として広く知られていることであり、そうであるらしいのだが、併しこの思想をめぐっては色々の問題が議せられているのであって、必ずしも簡単に判り切っている関係ではない。例えば或る種の文明評論家によると、技術的精神乃至技術の精神は、単に欧米の近代文化の精神に過ぎないのであって、必ずしも近代世界全体を支配しつつあるものでもなければ、そういう権限のあるものでもないという。東洋精神(彼等は之を勝手に妙な神秘主義と考えるのだが)は技術的精神と異なったものであり、それが今後の近代文化(?)の新しい主人となるだろう、ならねばならぬ、とも云う。

これによると技術的精神はヨーロッパ人の皮膚の白さと同じようなもので、何も白くなければならぬわけではないのである。西洋文明の没落という現代の挽歌的ミトスが、このような説にエキゾティシズムか倒錯した郷愁かの響きを与える。実は資本制下に於ける技術の過剰と呼ばれている資本と技術との矛盾の現象、つまり資本制下に於ける技術自身の矛盾、又同じことだが、資本制自身が技術について生ぜざるを得ない自己矛盾、という現象を、簡単に原稿紙の上で片づけて了おうとするものが、この種の現代文明論であり、又その意味に於け