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ぎじゅつてきせいしんとはなにか

技術的精神とは何か

戸坂 潤

「科学主義工業」1937(昭和12)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,188 字 · 17 页

青空文庫

之を資本主義的産業にだけ結びつけて考える限り、技術的精神は行きづまりの精神としてしか現われない。之が例の技術終末観である。これを免れるための最も簡単な方法は、近代産業を社会機構そのものと独立させて考えることだ、つまり之を純然たる技術自体と見ることだ。そうするとそれが、例の技術福音説となる。だが、本当を云うと、技術的精神は、近代産業発達の精神でなくてはならぬ。即ち近代産業が資本制的な行きづまりを社会機構上打破して前進することに於ける、その社会的技術発達の精神でなくてはならぬのだ。こうした技術発達の顕著な客観的条件が熟していることこそが、最も健康な意味に於ける近代性ではないだろうか。近代の資本制産業の莫大な発展が、そういう近代性を創り出した。所謂モダーニズムは(カトリックのモダーニズムと共に銀座のモダーニズムなども論外として)この近代性という照明の影に過ぎない。

技術的精神は近代性という健康な照明である。光である。光というものは文献によると色々の神秘的な(ヨハネ福音書的な)ものから、神秘論的(ベーメ)な又形而上学的な意義(シェリング)をまで有って来ている。