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しなまいのふくろ

支那米の袋

夢野 久作

「新青年」1929(昭和4)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,357 字 · 50 页

青空文庫

たわ。それはみんな亜米利加の貨幣だったけど、主人は大ニコニコで私の頭を撫で、

「大手柄大手柄……あのお客人を一生懸命で大切にしろ……」

って云ってくれたわ。

それからヤングは毎晩のように妾の処へ遣って来たの。そうして妾とだんだん仲よしになって来ると、いろんな事を妾に教え初めたの。亜米利加の言葉だの、ABCの読み方だの、キッスの送り方だの……誕生石の話だの……花言葉だの……だけど、その中でも一等面白くて怖かったのは、やっぱり、そのステキな恋愛のお話だったわ。妾ホントに感心しちゃったのよ。ヤングが何でもよく知っているのに……。

それは亜米利加のお金持ち仲間で流行る男と女の遊び方で、お金持ちになればなる程、そんな遊びの方法が乱暴なんですってさあ。……ええ……それはトテモ贅沢な室の仕掛けや、高価いお薬や、お金のかかる器械や、お化粧の道具なぞが、いくらでも要るので、貧乏人にはトテモ出来ない遊びなんですってさあ。そうして亜米利加の若い男や女は、そんな遊びがしたいばっかりに、一生懸命になって働らいて、お金を貯めているんですってさあ。

その遊び方法っていったら、それあ沢山あるわよ。