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せいじとさっかのげんじつ

政治と作家の現実

宮本 百合子

「文学」1947(昭和22)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,700 字 · 37 页

青空文庫

まず読者として批判の権利をもっている。この生きた関係は、現在の日本の社会感情や、前衛党とその外との知的関係のありかたのすこし前方に進出したものである。合法党として存在しはじめてわずか一年を経たばかりの日本の党が、よしんばまだ十分豊饒な文化性を溢れさせていないとして、また組織人の大部分が文芸作品の真剣な読者である暇がないほど活動に多忙であるからといって、日本の民主的革命とその文学の発展のために、党が重大な関心を示すのが、誤りであるとどうしていえるだろう。最近極東委員会で日本の労働運動に関する決定十六項が発表された。その中には、日本の民主化のために骨髄的諸項――たとえば労働組合の政治活動の自由・政党支持の自由・組合員であるからといって不当なとり扱いを蒙ることはないし、検挙をうけたりすることもないようにという条項など――が明文化された。ここまで、日本の労働運動の実状について極東委員会の注意を喚起し、基本的人権を現実のものとするようにと日本的限界を拡げていったのは、どういう日本の官僚たちの仕事だったろう。これこそまったく、勤労大衆の実行力と組合の献身とその前衛である党とが、自身の犠牲においてかち得たものである。