轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きょういくえいがについて

教育映画について

寺田 寅彦

「公民教育」1932(昭和7)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,491 字 · 9 页

青空文庫

映画を見ることによって吾々は凡庸な観察眼の代りに異常に鋭い観察者の眼を獲得することになる。同時に非常に長い時間と多大な費用を節約し得られるのである。ある映画監督は猫が鼠を捕る光景を撮るために七十時間とそれに相当するフィルムを費やしたそうである。

極めて平凡なものの観察でさえも映画によって始めて可能な利益があるとすれば、映画技術によってのみ得られる観察、例えば高速度撮影や反対の低速度撮影のごときものの効能は今更云うまでもないことである。

しかしこういう教育映画を作るのはなかなか容易でないことも明白である。時間と労力と金とを費やすだけでは十分でない。撮影者が単に映画のテクニークに通暁しているばかりでなく、その対象に関する十分な知識をもっていることが絶対に必要である。それかといって単なる学者では勿論駄目である。「映像の言葉」の駆使に熟達した映画監督の資格を同時に具えていなければならない。そういう人はなかなかそう容易く見附かるものではない。現在ドイツのウーファがこの点でほとんど独り舞台を見せているが、近頃のロシアの「婦人の衛生」などもこの点で著しい傑作であった。