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さんげ

散華

太宰 治

在线阅读太宰 治《散華(さんげ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,172 字 · 21 页

青空文庫

失われたものと、あきらめなければなるまい。

太宰さん、御元気ですか。

何も考え浮びません。

無心に流れて、

そうして、

軍人第一年生。

当分、

「詩」は、

頭の中に、

うごきませんようです。

東京の空は?

というのが、四通の中の、最初のお便りのようである、この頃、三田君はまだ、原隊に在って訓練を受けていた様子である。これは、たどたどしい、甘えているようなお便りである。正直無類のやわらかな心情が、あんまり、あらわに出ているので、私は、はらはらした。山岸さんから「いちばんいい」という折紙をつけられている人ではないか。も少し、どうにかならんかなあ、と不満であった。私は、年少の友に対して、年齢の事などちっとも斟酌せずに交際して来た。年少の故に、その友人をいたわるとか、可愛がるとかいう事は私には出来なかった。可愛がる余裕など、私には無かった。私は、年少年長の区別なく、ことごとくの友人を尊敬したかった。尊敬の念を以て交際したかった。だから私は、年少の友人に対しても、手加減せずに何かと不満を言ったものだ。野暮な田舎者の狭量かも知れない。私は三田君の、そのような、うぶなお便りを愛する事が出来なかった。