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ぶんがくにかんするかんそう
文学に関する感想
宮本 百合子
「プロレタリア文学」日本プロレタリア作家同盟機関誌、1932(昭和7)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,671 字 · 17 页
林房雄が『中央公論』に連載している長篇小説「青年」は、近頃発表されたプロレタリア作家の作品の中でもっとも多くの論議を引き起したものの一つである。「青年」第一部が発表された当初から、ブルジョア作家、批評家たちは、これこそ読むにたえるプロレタリア文学の出現であるという風な批評を加えた。ある一部のブルジョア・ジャーナリストは「青年」を称讚し、さすがは林房雄である。構想雄大で行文はいわゆるプロレタリア的でない清新の美に満ちていると、さながらその社会的根拠とともに創造性をも喪失したブルジョア文学の陣営内に一人の精力的な味方を発見し得たかのような喝采を送った。
わがプロレタリア作家同盟および文学に関心をもつ革命的大衆の「青年」に対する感想は、本質においてはそれらのブルジョア批評と明らかに対立する種類のものであった。林が長い獄中生活の後、直ちに野心的な大作に着手した意気に対して敬意を表すと同時に「青年」が一九三二年の封建的軍事的絶対主義日本における階級闘争が帝国主義戦争によって一層切迫した現段階において、特に近づきつつある人民革命の歴史的意義を規定する明治維新から取材し現実の闘争のもっとも必要なモメントとして描かるべき歴史小説としては、方法論的に不充分であり、階級性が稀薄であるという結論に概括される。