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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页
」
「けれども僕好き、――」
「妙なものが好きなんだね。わたし何んだか白っぽくぼんやりして点れているのが寂しくてしかたがないの。お前の好きなわけがわかるんだけれど……。」
弟はられたような淋しい顔をした。そして、ほら向う川岸の崖のところから、川をへだててその行燈のあかりだけが何時もよく見える………と言った。姉は崖の方をながめた。石白く茫々たる磧の草も末枯れて茜色に染まり、穂のあるものはとくに穂を吹かれてしまった蕭殺たる景色であった。冬が起き上ったような物憂い寒々した腰つきが、川原一杯に感じられた。
「お前、冬になってもこうやって訪ねて来られる……。」
「ええ、いつでも――。」
「雪になってもかね、山をごらん、遠いのにもう白く幾すじも光ってみえるでしょう、あれが一日ずつ数を殖して、しまいには山のあたまの地がまるで見えなくしてしまうんだよ。それでも来られる………。」
「大丈夫来られる………。」
「そう全くふしぎね。」
姉は山をながめた瞳を弟に向け、弟に向けた瞳をまた山の上に向けた。遠い山の前に近い山があった。遠い山に歯のような皓い縄のように雪が綟れかかり、前の山は暗い茜にそまって秋のままの姿だった。