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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页

青空文庫

どうするのかと見ていると、こんどは擬宝珠のかげへ跼んで、すうと、蒼白い、まるで麻のように晒された手を伸しました。はて、何をするのだろうと見つめていると、その白い手が擬宝珠のかげへつッ込まれると、ふいに、その陰草から一疋の赤蛙が飛び出しました。すると娘の手は、その飛んだ跡へ跡へと趁って最後に押えつけました。そうすると、こんどは、あたりを見廻すとその手をすういと自分の口元へもって行きましたが、赤蛙はいつの間にか娘の口の中へ呑み込まれたのです。そのとき娘はまるでこれまでに見たことのないような凄い、眇目のような微笑をもらして、うまそうにその赤蛙を呑み込んでしまったのです。それを見ていた父親はまるで身体中がしびれるような恐ろしい悪寒を感じました。娘がそういう恐ろしいことをしようなんて、一度も考えなかっただけに、その驚きようも一層強かったのでした。見ているうちに、ブルブル顫えるような身体を一そう鎮めてながめているうち、娘は幾疋となく赤蛙をつかまえると食べてしまったのです。そうして庭をあちこち歩きながら、草さえあると手で掻きさぐっていました。その歩いているうちの陰気な音と言うたら、ゴムの上でも歩くような、音のないような変な遠い音なんです。