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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页

青空文庫

」と言った。するとその知人は「七人もあるからなおその一人を欠かしたくないのだ。」と言ったそうだ。私はそれの心もちが分った。

坂の上にいる或る彫刻をやる知り合いが、ぼんやりうつけ者のように夕方あるいている私にこう言った。

「またコサえるさ。」

私はあたまがぐらぐらし、やっと口がきけたくらいだった。

「あのとおりの顔がまたと生れてくるとでも君は思っているのか。」

そういうとこの男の子どもも、何かのついでに死んでくれればよいとまで、その瞬間にかっとした。そうなればこんな不用意な口をきくまいと思われたからである。「またおあとがあるだろうから……」そういう風に言われると私はさびしく黙った。しかしあの通りの顔は世界じゅうに一人もないぞという気がした。

妻が寺参りにでかけると、箪笥の曳出しのそばへ私はしばしば行こうとしては、ふいに立ち停まりあたりを見廻した。やはり静かな庭樹のかげが、障子に映り誰もいる筈はなかった。が、その白みある明るい光では、よく赤児がしていた水枕のびちゃびちゃする音が、私の耳にきこえた。

「おれはいったい何しにここへやって来たのだったか。」

私はひとりで呟やくと、曳出しの鍵に手をかけようとした。