轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页
ゆめの話
むかし加賀百万石の城下に、長町という武士町がありました。樹が屋敷をつつんで昼でもうす暗い寂しい町です。そこに浅井多門という武士がありました。ある晩のこと、友だちのところで遊んで遅く川岸づたいに帰って来ましたが、いまとは異ってそのころは武士町の高窓に灯がうっすりと漏れているだけで、道路の上はただうるしのような闇になっているのです。多門は川の瀬の音に迫る晩秋の淋しさを感じていましたが、それよりも先刻から眼の前の暗さに浮いて、ひとりの若い女が歩いているのを、ふしぎに思いながら矢張り黙って眺めながら歩いていました。いまごろ若い女が一人で歩くなどということはおかしな事だと考え、あるいは何かあやしいものではないかとも思い、うしろから静かに声をかけて見たのでした。
「いまごろ、どちらへ行かれるかな、おなごの身での。」
が、その声がすると、女はきゅうに此方を向いて、びっくりしたような顔貌で、いままでよりかずっと早足で歩き出したのです。あやしいものでないのなら何かの返辞くらいするだろうと思ったのに、あてが外れ、こいつ、あやしいなという考えがよけいに多門の頭脳に残りました。