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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

室生犀星『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』。同一底本的分册已合并为一书。收入:童子、ゆめの話、あじゃり、蛾、幻影の都市、香爐を盗む、三階の家、しゃりこうべ、天狗、童話、後の日の童子、不思議な国の話、不思議な魚、みずうみ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 页

青空文庫

」

菊世はそういって快庵禅師に茶をすすめ自分も茶をのみながら、「その阿闍利さまに一大事が起ったのでございます」といった。快庵禅師はこの菊世という女は人のよいものであることや、よく阿闍利の世話をしてくれたことを快く聞いていたが、ふと、今菊世が一大事が起ったといった瞬間から菊世の顔に唯ならぬ表情が起ったのを注意ぶかく眺めた。菊世は四十過ぎではあるが、まだ、からだの上に強い張りのある元気があった。快庵はたずねた。

「そんな静かな暮しに何ごとが起るものぞ。わしの考えるところによると、その阿闍利こそ大徳の聖といってもよいくらいだ。名に走らず、愚昧に突き入らず、わしは会うて話したいくらいじゃ。」

菊世は手を以って快庵を制するようにしていった。

「禅師さま、人間ほどわからぬものはございません。そのような阿闍利さまのお人がらが、にわかに変化ってしまったのでございます。」

「どういう風に変化ったのじゃ。」

菊世は改まって、「禅師さまがこの話をおききになり、お気もちわるく思召されてはこまりますが、これも御縁の端、どうか阿闍利さまのお心の程をお汲みなされて、おきき棄てのほどをおねがいいたします。